G40, G41, G42(工具径補正)

G41, G42 は、プログラムの工具経路に対して、右または左に工具半径分シフトした状態で加工を行うために使用します。G41 は進行方向に対して左側に補正し、G42 は右側に補正します。

工具径補正は、エンドミルを使用したポケット加工や、輪郭加工で主に使用します。

G40 は、G41, G42 の工具径補正モードをキャンセルするのに使用します。


平面設定による軌道の違い

G41, G42 の工具径補正は、G17 〜 G19 の平面指定によって補正される方向や軌道が変わってきます。

進行方向の左側、右側というのは、指定された平面と垂直な軸のプラス側からマイナス側を見たときの方向となります。つまり、G17 のXY平面であればZ軸のプラス側から、G18 のZX平面であればY軸のプラス側から、G19 のYZ平面であればX軸のプラス側からマイナス側を見たときの方向となります。

平面と垂直な軸方向への移動には補正がかからないので注意が必要です。

G40, G41, G42(工具径補正)の使い方

G40, G41, G42 が指令されているブロックは、必ず G00(位置決め)かG01(直線補間)で移動を行います。G02, G03 の円弧補間ではアラームが出ます。G00, G01 はモーダルなGコードなので、事前にどちらかが指令されていれば省略可能です。

G17 〜 G19 も事前に使用したい平面が指令されていれば、省略可能です。

G01 と同じように、X, Y, Z は終点座標、 F は送り速度となります。

D は使用する工具径補正番号になります。補正値はプログラム開始前に手入力しておくか、プログラム内で事前にG10(データ設定)やシステム変数を使用して入力しておく必要があります。

G40, G41, G42(工具径補正)の注意点

G41 や G42 が指令される最初のブロックは、工具径補正モードへ移行するブロックでスタートアップと呼ばれます。このブロックで加工しようとすると削れすぎる可能性があるので、加工は次のブロック以降で行います。

G40 で工具径補正をキャンセルするとき、X, Y, Z をすべて省略している場合でも、補正量分の軸移動が生じる場合があります。なので、ある程度ワークから離れた位置で工具径補正をキャンセルすることをおすすめします。

工具径補正後の座標値は、プログラム上の次の移動(あるいは2つ先の移動)を先読みして算出しています。多くの設備では、3〜5ブロック程度しか先読みしないので、この間に設定されている平面方向の移動がない場合は、想定されている工具経路にならない場合があります。

スタートアップ動作の方法や、アラームが出る場合の対処方法などは「工具径補正」のページに載せてあります。

Gコードの詳細一覧
コード機能グループ
G00位置決め(早送り)01
G01直線補間
G02, G03円弧補間、ヘリカル補間
G04ドウェル00
G08高精度制御(先行制御)
G09イグザクトストップ
G10データ設定
G17, G18, G19平面指定02
G27原点復帰チェック00
G28機械原点復帰
G30第2原点復帰
G31スキップ機能
G40, G41, G42工具径補正07
G43, G44, G49工具長補正08
G52ローカル座標系設定00
G53機械座標系設定
G54 〜 G59ワーク座標系選択12
G60一方向位置決め00
G61イグザクトストップモード13
G62自動コーナオーバライド
G63タッピングモード
G64切削モード
G65, G66, G67マクロ呼び出しG65 = 00
G66, G67 = 14
G68, G69座標回転16
G90, G91アブソリュート指令、インクレメンタル指令03

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