Gコード固定サイクル

NCプログラムでは、使用頻度の高いいくつかの加工サイクルを、Gコードの固定サイクルを使用することで1ブロックで指令することができます。

ここでは標準的に使用される固定サイクルを解説します。

Gコード 用途 穴底位置の動作 逃げ動作
G73 高速深穴あけサイクル - 早送り
G74 逆タッピング ドウェル→主軸正転 切削送り
G76 ファインボーリング オリエンテッドスピンドルストップ 早送り
G80 固定サイクルキャンセル - -
G81 スポットドリリング - 早送り
G82 カウンターボーリング ドウェル 早送り
G83 深穴あけ - 早送り
G84 タッピング ドウェル→主軸逆転 切削送り
G85 ボーリング - 切削送り
G86 ボーリング 主軸停止 早送り
G87 バックボーリング 主軸正転 早送り
G88 ボーリング ドウェル→主軸停止 手動
G89 ボーリング ドウェル 切削送り

固定サイクルの基本

動作

Gコード固定サイクルは、以下の6つの動作から成り立っています。

イニシャルレベルとは、固定サイクルを開始した位置のことです。

R点(リファレンス点)は参照点という意味で、XY平面(G17)の場合、Z軸の基準位置になります。R点の位置は固定サイクルの開始時に引数で指定します。

平面

G17,G18,G19の平面設定により、加工軸を変更することができます。

Gコード 平面 加工軸
G17 XY平面 Z軸
G18 ZX平面 Y軸
G19 YZ平面 X軸

アブソリュート | インクレメンタル

加工軸方向の移動量はG90(アブソリュート)とG91(インクレメンタル)で異なります。

復帰点レベル

穴底から工具を逃がすときに、どこまで逃すのかをG98とG99で決めることができます。G98はイニシャルレベルまでの復帰で、G99はR点レベルまでの復帰になります。

固定サイクルのキャンセル

固定サイクルはG80を指令することでキャンセルされます。また、グループ01のGコード、G00,G01,G02,G03の指令でも、固定サイクルはキャンセルされます。

G73 | 高速深穴あけサイクル

「G73 X_ Y_ Z_ R_ Q_ F_ K_」の指令で、深穴を高速ドリリングで加工します。切込み後の逃げ量は、パラメータで設定されている数値になります。

G74 | 逆タッピング

「G74 X_ Y_ Z_ R_ P_ F_ K_」の指令で、逆タッピング加工を行います。主軸を逆回転させて切り込み、穴底で正転し逃げることで、逆ネジを作ります。

G76 | ファインボーリング

「G76 X_ Y_ Z_ R_ Q_ P_ F_ K_」の指令で、中ぐり加工を行います。穴底で刃先と逆方向にシフトしてから逃げ動作に入ります。

G81 | スポットドリリング

「G81 X_ Y_ Z_ R_ F_ K_」の指令で、ノンステップ穴あけ加工を行います。

G82 | カウンターボーリング

「G82 X_ Y_ Z_ R_ P_ F_ K_」の指令で、穴底でドウェルを行います。

G83 | 深穴あけサイクル

「G83 X_ Y_ Z_ R_ Q_ F_ K_」の指令で、ドリルサイクル加工を行います。

G84 | タッピング

「G84 X_ Y_ Z_ R_ P_ F_ K_」の指令で、タッピング加工を行います。主軸を正転させ切込み、穴底で逆転し逃げることで、ネジを作ります。

G85 | ボーリング

「G85 X_ Y_ Z_ R_ F_ K_」の指令で、ボーリング加工を行います。

G86 | ボーリング

「G86 X_ Y_ Z_ R_ F_ K_」の指令で、ボーリング加工を行います。穴底で主軸が停止した後、逃げ動作を行います。

G87 | バックボーリング

「G87 X_ Y_ Z_ R_ Q_ P_ F_ K_」の指令で、バックボーリング加工を行います。X,Y軸の位置決め後、定回転位置に主軸が停止し、刃先と逆方向にシフトした後、早送りで穴底に位置決めします。この位置で刃先方向にシフトし、主軸を正転させZ軸の正方向へ向かって加工を行います。

G89 | ボーリング

「G89 X_ Y_ Z_ R_ P_ F_ K_」の指令で、ボーリング加工を行います。穴底でドウェルを行います。

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