NCプログラム上級編

NCプログラムの少し高度な使い方、トリッキーな使い方をPDF形式にまとめました。主な内容はラジアスエンドミルやボールエンドミルを使用した勾配・テーパー加工、R加工などになりますが、座標回転機能や三角関数機能がついていない設備でそれらを使う方法なども掲載しています。ページ数は目次などを除いて89ページとなります。

これらの方法はどうやら一般的ではないようです。ネットで検索しても出てきませんし、動画をいくつか発見しましたが、特殊な方法として紹介されていました。ただ、メリットはたくさんあるので、中小企業の方々にはぜひ活用して欲しいものです。

本書の中で作成したプログラムはテキストファイルとして添付してありますので、すぐに使うこともできます。また、マクロにすることも考え、変数にはローカル変数を使用しているので、これらを引数にすれば簡単にマクロにすることもできます。

「これ、どうやって加工しますか?」
どうやって加工しますか?

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これまでの方法

丸物であれば、テーパーやR加工はNC旋盤などを使えば比較的簡単に加工できますが、直線部分の勾配やR加工などは専用工具が必要になります。これは専用工具が届くまで加工できないということです。また、数量が多い場合は製品当たりの工具費は少なく済みますが、数量が少ない場合には工具費がはね上がります。

これらを解決する方法として、既存のボールエンドミルやラジアスエンドミルを使用してプログラムによって形状を作る方法があります。これを本書で紹介しているわけですが、これは3次元CAD・CAMと大容量のメモリをもった設備があれば、同じような加工は実現できます。ただしこれらは、数百万円あるいは数千万円の投資が必要になるものがほとんどです。

3次元CAD・CAMを使う問題点は費用の他にもたくさんあります。まず重要なものを列挙します。

まず、習得が容易ではないことです。私は2次元のCADを使うことができない人たちをたくさん見てきました。中には最初から覚える気がない人たちもいましたが、それはごく少数で、多くの人たちはパソコンになれていないのです。多くの3次元CAD・CAMのソフトにはサポートや勉強会のようなものがありますが、最終的には毎日使うことによって覚えるしかありません。それには少なくとも数ヶ月の期間が必要になります。

2つ目は、形状が少し変わっただけで図面を描き直さなければならないことです。2次元のCADではそれほど苦にならなかったものが、3次元のCADでは操作が複雑なためどうしても時間がかかってしまいます。

3つ目は、プログラムが膨大な量になることです。基本的に3次元のCAD・CAMはダイレクトパスを生成しますので、繰り返し(WHILE)などを使えば数十行ですむプログラムが、数百行、数千行になることも多々あります。これはデータ容量の小さな設備では使えないか、あるいは外部メモリを使用する必要があります。

4つ目は、パソコンにそれなりのスペックが必要になることです。これはソフトによっても異なるので、一概にこのスペックとは言えませんが、少なくとも2GBのメモリではスムーズには動きません。また、保存するデータもかなり大きなものになるので、補助メモリ(HDDやSSD)の容量も必要になりますし、保存やバックアップ、データの移動などもこれまでと比べると時間がかかります。

汎用化するメリット

本書では汎用的な工具を使った汎用的なプログラムの作り方を紹介しています。工具やワークの寸法が変わっても、変数の設定を変えるだけで対応できます。もちろん汎用プログラムだけですべての形状に対応できるわけではありませんが、対応できるものに関しては上で挙げた問題点はすべて解決できます。

既存の工具やプログラムで対応できるということは、工具を新たに発注したり、プログラムを作り直す必要が無いため、低コスト・短納期を実現することができます。

本書の内容

前置きが長くなってしまいましたが、本書の内容を以下に掲載します。

第1章 数学の復習

本書で使っている数学の知識をこの章で掲載しています。高校までに習ったものだけなので、それほど難しいものはないと思います。

第2章 勾配・テーパ加工

まず、直線部分に入る勾配あるいは面取りのプログラムを作っていきます。この加工は大きく分けると以下のような2種類の方法がありますので、それぞれについて見ていきます。

勾配加工1 勾配加工2 勾配加工変数

その後に、円と円弧のテーパ加工のプログラムに発展させます。

テーパ加工1 テーパ加工2

第3章 R面取り加工

R面取りの加工です。これも勾配・テーパ加工と同様に2種類の方法があり、両方のプログラムを作っていきますが、円弧補間を使う方法(1枚目の画像)はYZ平面かZX平面でしか使えないので、こちらは直線でしか使用できません。

R面取り1 R面取り2 R面取り変数

円に発展させられるのは上の2枚目の画像の方法だけです。

円のR面取り

第4章 底R加工

段差や溝などの底面に入るR加工です。R面取りを逆にしただけなので、それほど難しくはありません。

底R加工1 底R加工2 円の底R加工

第5章 半円加工

R面取りや底Rの加工を180°まで発展させたものです。

凸R加工1 凸R加工2 凹R加工1 凹R加工2

第6章 複雑形状の加工

上で見てきた勾配加工やR面取り、底R加工を複雑な形状で使う方法です。これは工具径補正を使うと簡単に実現できます。

第7章 円の連続切込

工具軌道を渦巻き状にする方法です。これをR面取りなどに応用すると、なめらかな曲面が得られます。

円の連続切込

第8章 R~テーパ~R加工

勾配加工でできる角部にR面取りを施したものです。これは勾配・テーパ加工とR面取りを組合せたもので、勾配後の底R加工などにも応用可能です。

RテーパR加工

第9章 座標回転

Gコードの座標回転機能であるG68がついていない設備で座標回転を行う方法を紹介しています。やり方はこのサイト内でも掲載していますが、本書では第2章で作った勾配加工のプログラムを使って、実際に座標回転機能を付けたプログラム例を掲載しています。

第10章 三角関数の近似

三角関数機能のついていない設備で、三角関数の近似値を計算で求める方法を紹介しています。

本書ではこれをマクロ化し、第2章で作った勾配加工のプログラムを例にその使い方を掲載しています。

添付ファイル

本書の中で作成したプログラムは、テキストファイルとして26個添付してあります。

この他にも、以下のマクロプログラム5つ(3万円相当)を添付します。

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