ワークのセッティングと測定機器

加工途中のワーク(製品)をフライス盤やマシニングセンタにセットする場合、平行出し、平面出し、芯出し(加工原点出し)などを行う必要があります(呼び方は企業によって違うかもしれません)。


平行出し

平行出しとは、ワーク(あるいはバイスなどの固定具)の基準となる面と工作機械の軸が平行になるように調整することです。平行出しにはテストインジケータと呼ばれるてこ式のダイヤルゲージがよく用いられます(ピックテストと呼ばれることもあります)。

このテストインジケータは、シャンクに取り付けたり、マグネットで主軸付近に固定して、ワークの基準となる面に接触させ、工作機械の1軸だけを動かしてこの軸と平行になるようにワークを調節していきます。ワークに擦り傷が付く場合は、テストインジケータの目盛りが0になる位置で工作機械の相対座標を0にして、一度ワークから逃して軸をズラしたあとで再びワークに接触させる方法を取ります。

テストインジケータは、1目盛りが0.01mmのものと0.002mmのものが主流だと思います。もちろん0.002mmの方が測定精度は高いですが測定範囲が狭いので、慣れてない人が使用すると針が一気に振り切ってしまうこともあるので注意が必要です。まだ経験が浅い場合は、0.01mmのものである程度平行を出してから0.002mmのものを使用するのが無難です。


平面出し

セットしたときの上面の平行出しです。上面が基準となる垂直度や平行度などがある場合に行います。基本的にはテストインジケータで平行出しと同じように行いますが、通常のダイヤルゲージでも行えます。


芯出し

加工原点出しです。工具をワークに直接当てて出す方法もありますが、ワークに傷がつくとだめな場合は、芯出しバーやタッチセンサーなどを使用します。芯出しバーのほうが安価ですが、芯出しバーでも傷がついてしまう素材の場合はタッチセンサーになります。


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