G01(直線補間)
G01 は、切削送りで工具を直線移動させるのに使用します。
加工プログラムでは、最も頻繁に使われるGコードのひとつで、主に加工や製品に近い位置での移動に使われます。
G01(直線補間)の使い方
「G01 X_ Y_ Z_ F_ ; 」の形で記述します。X, Y, Z は座標軸を表し、_ には終点座標値を入力します。F は送り速度の指令で、1分間に何mm の速度(mm / min)で移動するのかを、_ に記述します(F600 なら1分間に600 mm の速度で移動します)。
各座標軸は省略可能で、例えば「G01 X20. F1000」とした場合には、F1000 の速度でX軸だけが20.の位置に移動します。
また、送り速度である F も省略可能で、省略した場合は既に設定されている送り速度(以前に入力された速度)で移動します。ただし、電源を入れた直後など、送り速度が設定されていない(送り速度 0)場合には移動が行われずアラームが出たりします。
G01 は、設定が変更されるまで有効なモーダルなGコードになります。設定の変更は、同じ「グループ01」のGコードである G00,G02,G03 などのGコードが読み込まれると変更されます。なので、連続して直線移動を行いたい場合は、以下のように最初のブロックだけ G01 を記述し、その後のブロックでは G01 を省略することができます。もちろん省略しなくても動きます。
G01 X50. F1000; Y50. ; X-20. ; ←ここまで G01 F1000 で移動 G00 Z50. ; ←ここで G00 に変更
また、座標値をすべて省略し、G01 のみの記述でも、G01 が設定されます。
(この記述でも上のプログラムと同じ動きをします) G01 ; X50. F1000 ; Y50. ; X-20. ; G00 Z50. ;
G01(直線補間)の注意点
送り速度が速い場合、X軸の移動後にY軸を移動させるときなどは、X軸の移動が完了する前にY軸の移動が始まることがあります。つまり、ショートカットするわけです。
コーナーの精度を出したい場合は、G09 のイグザクトストップや、G61 などのイグザクトストップモードを使用します。G09 と G61 の違いは、ワンショットとモーダルの違いです。設備によっては G61 ではない場合もありますので、お使いの設備の取扱説明書をご確認ください。
コード | 機能 | グループ |
---|---|---|
G00 | 位置決め(早送り) | 01 |
G01 | 直線補間 | |
G02, G03 | 円弧補間、ヘリカル補間 | |
G04 | ドウェル | 00 |
G08 | 高精度制御(先行制御) | |
G09 | イグザクトストップ | |
G10 | データ設定 | |
G17, G18, G19 | 平面指定 | 02 |
G27 | 原点復帰チェック | 00 |
G28 | 機械原点復帰 | |
G30 | 第2原点復帰 | |
G31 | スキップ機能 | |
G40, G41, G42 | 工具径補正 | 07 |
G43, G44, G49 | 工具長補正 | 08 |
G52 | ローカル座標系設定 | 00 |
G53 | 機械座標系設定 | |
G54 〜 G59 | ワーク座標系選択 | 12 |
G60 | 一方向位置決め | 00 |
G61 | イグザクトストップモード | 13 |
G62 | 自動コーナオーバライド | |
G63 | タッピングモード | |
G64 | 切削モード | |
G65, G66, G67 | マクロ呼び出し | G65 = 00 G66, G67 = 14 |
G68, G69 | 座標回転 | 16 |
G90, G91 | アブソリュート指令、インクレメンタル指令 | 03 |
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