三角関数の近似

実際にNCプログラムで使用することはほとんどないと思いますが、三角関数機能がついていない設備で、三角関数の近似値を使う方法を紹介したいと思います。

計算式にはマクローリン展開という方法が使用されますが、細かい説明はできるだけ省きます。


sin のマクローリン展開

sin のマクローリン展開

実際に使用するのは一番右の式で、これは真ん中の式の k に値を入れたものです。「!」は階乗を表しており、「3!」であれば「3 × 2 × 1」の3から1までの整数をすべてかけることを意味しています。これは固定値なのであらかじめ計算しておくと以下のようになります。

sin のマクローリン展開

最後の「...」は無限に続くことを表しており、実際に使う場合にはどこかで切る必要があるので、今回は上の式のように5項目までとします。「x」の単位は「度」ではなく「ラジアン」となるので、ラジアンに変換する必要があります。度をラジアンにする方法は「弧度法」ページでも書いていますが、角度に「π / 180」をかけるだけです。

cos のマクローリン展開

cos のマクローリン展開

式の形は sin の式とほぼ同じで、一番右の式の奇数が偶数に変わるだけです。階乗を計算すると以下のようになります。

cos のマクローリン展開

tan の求め方

tan x は上で求めた sin x と cos x を使えば求められます。

tan x = sin x / cos x

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