G61(イグザクトストップモード)
G61 は、コーナーの精度を出すために使用します。
2直線が垂直に交わるようなコーナー部分では、通常は2直線の交点に到達する前に次のブロックの移動が開始されショートカットしてしまい、正確な軌道を描かないことがあります。コーナー精度を出すためには、G61 を使うことで、インポジションと呼ばれるコーナー領域に入ったことが確認されるまで、次の動作が行われないようにすることができます。

G09 のイグザクトストップとの違いは、G09 は指令したブロックのみ有効なワンショットなGコードなのに対して、G61は同じグループの他のモード(G62, G63, G64)が指令されるまで有効なモーダルなGコードであることです。
G61(イグザクトストップモード)の使い方
G61 はモーダルなGコードなので、単独でも指令できます。
電源投入時やリセットキーを押すと、G64 の切削モードの状態になります。プログラムの途中で切削モードに戻したい場合は、プログラム中に G64 を記述しておきます。
G61(イグザクトストップモード)の注意点
インポジション幅は、設備のパラメータ設定で変更できますが、比較的最近の設備では、プログラム内で設定できることもあります。
Gコードの詳細一覧
コード | 機能 | グループ |
---|---|---|
G00 | 位置決め(早送り) | 01 |
G01 | 直線補間 | |
G02, G03 | 円弧補間、ヘリカル補間 | |
G04 | ドウェル | 00 |
G08 | 高精度制御(先行制御) | |
G09 | イグザクトストップ | |
G10 | データ設定 | |
G17, G18, G19 | 平面指定 | 02 |
G27 | 原点復帰チェック | 00 |
G28 | 機械原点復帰 | |
G30 | 第2原点復帰 | |
G31 | スキップ機能 | |
G40, G41, G42 | 工具径補正 | 07 |
G43, G44, G49 | 工具長補正 | 08 |
G52 | ローカル座標系設定 | 00 |
G53 | 機械座標系設定 | |
G54 〜 G59 | ワーク座標系選択 | 12 |
G60 | 一方向位置決め | 00 |
G61 | イグザクトストップモード | 13 |
G62 | 自動コーナオーバライド | |
G63 | タッピングモード | |
G64 | 切削モード | |
G65, G66, G67 | マクロ呼び出し | G65 = 00 G66, G67 = 14 |
G68, G69 | 座標回転 | 16 |
G90, G91 | アブソリュート指令、インクレメンタル指令 | 03 |
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