NC旋盤 ねじ切り
旋盤でのねじ切りは、1回のツールパスで加工してしまうと刃先が欠けてしまうおそれがあるので、切り込みを数回に分けて加工します。このときのねじの切り込み方法は大きく分けると、ラジアルインフィード、フランクインフィード、インクレメンタルインフィードの3通りがあります。
ラジアルインフィード
もっとも一般的に使用される方法で、外周または内周からねじの谷底に向かって真っすぐに切り込んでいきます。

メリット
- プログラムの作成が簡単である。
- 工具の摩耗が左右で均一になる。
デメリット
- 刃先の左右両側で加工するので、ビビリが発生したり、切りくず処理が難しい。
- 刃先Rへの負担が大きいので、先端が欠けやすい。
フランクインフィード
ねじ山の30°の角度に沿って切り込んでいく方法です。実際の加工では、ねじ山に沿って30°で加工すると、片側の切刃がワーク面をこするだけとなってしまうので、25°くらいで切り込んでいく修正フランクインフィードという方法が使用されます。

メリット
- 片刃での加工なので、切削抵抗が小さく、切りくず処理が容易である。
- ラジアルインフィードより切り込み回数を少なくできる。
デメリット
- プログラムの作成がやや難しい。
- 切れ刃の片側だけが摩耗しやすい。
インクレメンタルインフィード
フランクインフィードでの片側の切れ刃だけが摩耗しやすいという欠点を補うために、左右の切れ刃で交互に切削するように切り込んでいく方法です。

メリット
- 工具の摩耗が左右で均一になる。
- その他、フランクインフィードと同様。
デメリット
- プログラムの作成が難しい。
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