NCプログラムと生産システム

NCプログラムを誰が作るのかは会社によって異なると思いますが、大きく分けると機械作業者が自分で作る場合と、数人のプログラマだけが作る場合とがあります。小さな会社に多いのが作業者が自分で作る場合で、大きな会社になると決まった人だけが作ったり、専門のグループが作ったりということを行なっているようです。


機械作業者がプログラムを作る

作業者が自分でプログラムを作る場合の利点は、作業者の成長が早いことや、周りの人とのコミュニケーション量が増えることです。日本の会社では当たり前のように行われていた OJT(on the job training)、つまり作業をしながら教える・覚えるシステムです。機械の操作と一緒に毎日プログラムにも触れるわけですから覚えるのも早いですし、わからなければ先輩に聞いて教えてもらえます。自分が成長すれば新人が入ってきたときに教える側に回りますのでコミュニケーションが途切れることはありません。また、自分でモノを作っているという実感がわきやすいので、モチベーションも維持することができます。

逆にデメリットは、生産効率が悪いこと、生産性や品質が個人に依存してしまうことが挙げられます。プログラムを作らなければ生産が進みませんので、プログラムを作って動作確認をしている時間は機械が止まってしまいます。NC工作機械にはBG編集(バックグラウンド編集)の機能がついていて機械稼働中にもプログラムを作ることは可能ですが、その時間は他の作業を行うことができません。このようなことが起きて生産性が安定しないので、生産計画を作ることも難しくなります。また、人によってプログラムが違うわけですから品質も安定しません。

作業者自身がプログラムを作るのは、NC工作機械が一般的になる以前のやり方をそのまま引き継いだものなので、同じものを大量に作る場合にはこれらのデメリットはあまり大きな問題にはなりません。しかし、加工する製品の種類が頻繁に変わる場合には、このデメリットは浮き彫りになります。

大きな会社の生産システム

このような経験を通して、比較的大きな会社では機械オペレーターとプログラマを分業化することで効率性と安定性を確保するシステムを採用しています。会社が大きくなったからこのシステムを採用したのか、このシステムを採用したから会社が大きくなったのかはわかりませんが、大抵の会社ではこのような傾向があります。このシステムの問題点は、オペレーターのやりがいやコミュニケーションが不足することでモチベーションが低下すること、従業員の自主性が失われることなどが挙げられます。プログラマの方もパソコンの前で長時間座りっぱなしになるので、身体的・精神的健康の問題が挙げられます。これらの問題を解決しなければ組織として存続していくことは難しいように思います。

近年ではCAD・CAMソフトの発展と工作機械のメモリ容量の増加によってNCプログラムの重要性は薄れてきています。さらに、工作機械をパソコンから操作できるようにもなっているので、オペレーターとプログラマの統合も進んでいます。

どのようなシステムが良いのかは生産規模や生産内容、そしてどのような会社・組織にしたいのかによって異なります。現状と将来の市場や技術の変化と照らしあわせて、何が適しているのかを見極めることが大切だと思います。

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