主軸回転数と切削条件の求め方

NC工作機械には、S機能という主軸回転数を指令する機能があります。これはGコードなどと同じで「S1200」などのように「S + 数値」の形で表します。「S1200」の「1200」の単位は「rpm(revolutions per minute)」で、1分間に1200回転する速度という意味です。

S機能で主軸回転数を指令しただけでは、速度が設定されるだけで主軸は回転しません。主軸を回転させるには M03(主軸正転)か、あるいは M04(主軸逆転)を指令する必要があります。


さまざまな切削条件

切削条件にはいろいろなものがあり混乱しがちですが、NCフライスやマシニングセンタで実際に指令しなければならない条件は、通常は主軸回転数と送り速度です。この2つは切削速度や刃数、一刃当たりの送り量によって変わってくるので、被削材や工具の変更などによって切削条件もまた変わってきます。

最近では工具のカタログに、工具直径0.5ミリ毎や1ミリ毎に送り速度と主軸回転数が細かく書かれていたりするので、切削条件を導き出す計算などを覚える必要がないように思われますが、実際には、被削材の材質の微妙な違いや工作機械の違い、切削油の違いなどによって最適な切削条件も大きく変わってきたりします。

このような場合に、工具直径が変わるたびに毎回実験を繰り返すことは無駄な作業になることもあります。ある工具直径でその環境に最適な切削速度や一刃送り量がわかれば、工具直径が変わっても計算によって主軸回転数や送り速度が導き出せるので、あとは数回のテストカットによってその工具直径で最適な切削条件がわかるはずです。

切削条件の計算式

NCフライスやマシニングセンタでの主な切削条件と、それを求めるために必要な変数あるいは定数は以下の7つになります。

切削速度とは工具の周速度と同じです。

工具直径と刃数は使用する工具が決まれば固定で、円周率は常に3.14で固定です。つまり計算によって求めるものは、主軸回転数、送り速度、切削速度、一刃送りの4つになります。以下に式を示します。

上の式をよく見てみるとわかりますが、主軸回転数と切削速度を求める式は同じ式を変形しただけのもので、送り速度と一刃送りを求める式も同じ式です。つまり、主軸回転数と切削速度、または送り速度と一刃送りのどちらか一方が決まらないともう一方も決まらないということになります。

最終的に必要なものは主軸回転数と送り速度になるので、他の切削速度と一刃送りは暫定的に決定し、実験などによってデータを収集することによってその精度を高めていくことになります。切削速度と一刃送りのその環境に適した値が得られれば、工具直径や刃数が変わっても計算によって主軸回転数と送り速度が簡単に求められるようになります。

以下のページでは、数字を入力するだけで切削条件を算出してくれます。

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