NC設備も良いけど、何気に活躍する手動工作機械
自動機は同じものを同じ品質で大量に作ることを目的として開発されました。NC工作機械も品質を安定させるのが開発された理由の1つです。
しかし現在では、大量生産されるものは海外で加工されており、人件費の関係で単価も安いので、中小企業がこれらに手を出すことができません。国内では、いわゆる多品種少量低単価の生産が主流になっています。
そんな中で、材料の切断や面取り・バリ取りをわざわざNCフライスで加工していては、余計時間がかかってしまいます。もちろん、一台の設備で加工を完結させるのもひとつの方法ですが、このようなちょっとした加工で活躍するのが手動で動かせる専用機です。
専用機で考えてみる
切断機や面取り機、ボール盤などでも工夫次第で驚くほどの性能を発揮します。例えば、切断機や面取り機は治具を工夫することである程度の精度を出すこともできますし、ボール盤でも貫通穴のリーマ加工を可能にすることもできます。
実際、どの金属加工会社でも似たような設備しか所有していませんが、技術力には差があります。ある金属加工メーカーの人が言っていたのは「どの会社も持っている機械は同じ。その機械をどう使うかが違うだけ」
この考え方に異論がある人もいると思いますが、要するに考え方次第で資産(機械)の価値も変わるということです。
NC設備は何でもできて便利ですが、しばしば人間の思考を停止させ、アイデアが出るのを妨げます。そんなときはひとつの加工しかできない専用機を思い浮かべると、アイデアは出やすいと思います。
コラム一覧
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- マクロプログラムを作るときの考え方
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- 標準で使える変数
- NCプログラムの改善とは何か
- NCプログラムと生産システム
- 分業のジレンマ
- 座標とはなにか【初めてのNCプログラミング】
- 機械座標とワーク座標【初めてのNCプログラミング】
- 平面指定(G17〜19)を変更すると何が変わるのか【初めてのNCプログラミング】
- NCプログラムの基本は軸移動【初めてのNCプログラミング】
- アブソリュート指令(G90)とインクレメンタル指令(G91)
- 工具長補正は連続加工に必須の機能
- ATC(オート・ツール・チェンジャー)の使い方
- 主軸回転数と切削条件の求め方
- ワークのセッティングと測定機器
- タッチセンサを使った自動測定
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