FANUC Series 0 システム変数一覧
「FANUC Series 0」のシステム変数とその用途の一覧表と、各システム変数の使い方の説明になります。
インターフェース入力信号(#1000〜#1015,#1032)
PMC(プログラマブルマシンコントローラ)からカスタムマクロに16ビットの信号を入力することができます。#1000〜#1015はビット毎の読み取りを行い、#1032は16ビットを一括で読み取ります。
インターフェース出力信号(#1100〜#1115,#1132,#1133)
カスタムマクロからPMCに16ビットの信号を出力することができます。#1100〜#1115はビット毎の書き込みを行い、#1132は16ビットの一括書き込みを行います。#1133は32ビットの一括書き込みです。
工具オフセット量(#2001〜#2400,#10001〜#11200)
#2001〜#2400,#10001〜#11200の値を読み取ることでオフセット量を知ることができ、代入することでオフセット量を変更することができます。
オフセット番号 | システム変数 |
---|---|
1 | #10001(#2001) |
2 | #10002(#2002) |
3 | #10003(#2003) |
: | : |
200 | #10200(#2200) |
オフセット番号 | 形状補正 | 摩耗補正 |
---|---|---|
1 | #11001(#2201) | #10001(#2001) |
2 | #11002(#2202) | #10002(#2002) |
3 | #11003(#2203) | #10003(#2003) |
: | : | : |
200 | #11200(#2400) | #10200(#2200) |
アラーム(#3000)
プログラムでアラームにしたい条件が発生したとき、アラーム状態にすることができます。
#3000 = n () で表され、「n」には1〜99のアラーム番号、「()」の中にはアラームが発生したときに表示させるメッセージを入れることができます。画面には#3000の値に500を加えたアラーム番号と、アラームメッセージが表示されます。
クロック(#3001,#3002)
#3001,#3002の値を読み取ることで、クロックの時刻を知ることができ、値を代入することで時刻をプリセットできます。
#3001は1ミリ秒単位のタイマーで常にカウントします。電源投入時には0にリセットされ、65535ミリ秒で0に戻ります。
#3002は時間単位のタイマーで、サイクルスタートランプが点灯している時間をカウントします。電源をオフにしても値を記憶しており、1145324.612時間で0に戻ります。
システム変数 | 単位 | 電源投入時の状態 |
---|---|---|
#3001 | ミリ秒 | 0 |
#3002 | 時間 | 保存 |
シングルブロック、補助機能完了信号待ちの制御(#3003)
#3003に値を代入することで、下記のような制御ができます。
値 | シングルブロック | 補助機能完了信号 |
---|---|---|
0 | 有効 | 待つ |
1 | 無効 | 待つ |
2 | 有効 | 待たない |
3 | 無効 | 待たない |
- 電源投入時の値は0です。
- シングルブロック停止を無効にすると、操作盤のシングルブロックスイッチがONであっても、シングルブロック停止はしません。
- 補助機能を(M,S,T機能)の完了を待たないにすると、M,S,T機能が終了しないうちに次のブロックに進みます。また、分配完了信号DENも送出しません。
フィードホールド、フィードレートオーバーライド、イグザクトストップチェック(#3004)
#3004に値を代入することで、下記のような制御ができます。
値 | フィードホールド | フィードレートオーバーライド | イグザクトストップチェック |
---|---|---|---|
0 | 有効 | 有効 | 有効 |
1 | 無効 | 有効 | 有効 |
2 | 有効 | 無効 | 有効 |
3 | 無効 | 無効 | 有効 |
4 | 有効 | 有効 | 無効 |
5 | 無効 | 有効 | 無効 |
6 | 有効 | 無効 | 無効 |
7 | 無効 | 無効 | 無効 |
- 電源投入時の値は0です。
- フィードホールドを無効にした時は、フィードホールドボタンを押し続けていれば、シングルブロック状態で停止します。ただし、#3003でシングルブロックが無効であれば停止しません。フィードホールドボタンを押して離したときは、フィードホールドランプは点灯しますが機械は停止しません。そのままプログラムを実行し、フィードホールドが有効になった最初のブロックで停止します。
- フィードレートオーバーライドを無効にすると、機械操作盤の送り速度オーバーライドスイッチに関係なく、オーバーライドは100%に固定されます。
- イグザクトストップチェックを無効にすると、切削と切削のブロック以外でもイグザクトストップチェック(インポジションチェック)を行いません。
セッティングデータ(#3005)
#3005を読み取ることで、セッティングデータを知ることができ、代入することで書き込みができます。扱う数値は2進数を10進数に変換した値です。
#0 | REVX: X軸ミラーイメージ オン/オフ |
#1 | REVY: Y軸ミラーイメージ オン/オフ |
#2 | TVON: TVチェック オン/オフ |
#3 | ISO: 出力コード EIA/ISO |
#4 | INCH: メトリック入力/インチ入力 |
#5 | |
#6 | ABS: インクレメンタル指令 |
#7 | SEQ: シーケンス番号の自動挿入 オン/オフ |
#8 | |
#9 | REV4: 第4軸ミラーイメージ オン/オフ |
#10 | TAPE: F10/11 テープフォーマット オン/オフ |
#11 | |
#12 | |
#13 | |
#14 | |
#15 |
時刻(#3011,#3012)
#3011,#3012を読み取ることで、年・月・日・時・分・秒を知ることができます。
システム変数 | 種類 |
---|---|
#3011 | 年・月・日 |
#3012 | 時・分・秒 |
- (例)2012年10月8日5時7分3秒の時
- #3011 = 20121008
- #3012 = 050703
加工部品数(#3901,#3902)
加工部品数(終了数)と所要部品数(目標数)の読み取りと書き込みができます。
システム変数 | 機能 |
---|---|
#3901 | 加工部品数(終了数) |
#3902 | 所要部品数(目標数) |
モーダル情報(#4001〜#4120)
#4001〜#4120の値を読み取ることで、直前のブロックまでに指定されたモーダル情報を知ることができます。
システム変数 | 直前のブロックのモーダル情報 |
---|---|
#4001 | Gコード(グループ01) |
#4002 | Gコード(グループ02) |
: | : |
#4022 | Gコード(グループ22) |
#4102 | Bコード |
#4107 | Dコード |
#4109 | Fコード |
#4111 | Hコード |
#4113 | Mコード |
#4114 | シーケンス番号 |
#4115 | プログラム番号 |
#4119 | Sコード |
#4120 | Tコード |
位置情報(#5001〜#5104)
#5001〜#5104の値を読み取ることで、各種の位置情報を知ることができます。
システム変数 | 位置情報 | 座標系 | 工具補正量 | 移動中の読取 |
---|---|---|---|---|
#5001〜#5004 | ブロック終点位置 | ワーク座標系 | 含まない | 可 |
#5021〜#5024 | 現在位置 | 機械座標系 | 含む | 不可 |
#5041〜#5044 | 現在位置 | ワーク座標系 | 含む | 不可 |
#5061〜#5064 | スキップ信号位置 | ワーク座標系 | 含む | 可 |
#5081〜#5084 | 工具長補正量 | 不可 | ||
#5101〜#5104 | サーボ位置偏差量 | 不可 |
- 一桁目は1〜4の軸番号で、X軸、Y軸、Z軸、第4軸の順です。
- 工具長補正量は直前のものではなく、実行中のものです。
- スキップ信号位置は、G31(スキップ機能)のブロックで、スキップ信号がオンしたときの位置になります。また、G31のブロックでスキップ信号がオンしないときは、指令されたブロックの終点位置になります。
- 「移動中の読取りができない」とは、バッファリング(先読み)機能のために期待した値が読取れないということです。
ワークオフセット量(#2500〜#2806)
#2500〜#2806の値を読み取ることで、ワーク原点オフセット量を知ることができ、代入することで変更することができます。
システム変数 | 制御軸 |
---|---|
#2500 #2501 #2502 : #2506 | 第1軸外部ワーク原点オフセット量 第1軸G54ワーク原点オフセット量 第1軸G55ワーク原点オフセット量 : 第1軸G59ワーク原点オフセット量 |
#2600 #2601 #2602 : #2606 | 第2軸外部ワーク原点オフセット量 第2軸G54ワーク原点オフセット量 第2軸G55ワーク原点オフセット量 : 第2軸G59ワーク原点オフセット量 |
#2700 #2701 #2702 : #2706 | 第3軸外部ワーク原点オフセット量 第3軸G54ワーク原点オフセット量 第3軸G55ワーク原点オフセット量 : 第3軸G59ワーク原点オフセット量 |
#2800 #2801 #2802 : #2806 | 第4軸外部ワーク原点オフセット量 第4軸G54ワーク原点オフセット量 第4軸G55ワーク原点オフセット量 : 第4軸G59ワーク原点オフセット量 |
コモンワーク原点オフセット量(#7001〜#7944)
#7001〜#7944の値を読み取ることで、コモンワーク原点オフセット量を知ることができ、代入することで変更することができます。
システム変数 | 制御軸 | コモンワーク原点オフセット |
---|---|---|
#7001 #7002 #7003 #7004 | 第1軸ワーク原点オフセット量 第2軸ワーク原点オフセット量 第3軸ワーク原点オフセット量 第4軸ワーク原点オフセット量 | G54 P1 |
#7021 #7022 #7023 #7024 | 第1軸ワーク原点オフセット量 第2軸ワーク原点オフセット量 第3軸ワーク原点オフセット量 第4軸ワーク原点オフセット量 | G54 P2 |
: | : | : |
#7941 #7942 #7943 #7944 | 第1軸ワーク原点オフセット量 第2軸ワーク原点オフセット量 第3軸ワーク原点オフセット量 第4軸ワーク原点オフセット量 | G54 P48 |
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