変数講座3 変数で工具軌道を制御する
前回までのプログラムで、送り速度、切込量、Z切込開始位置、Z切込終了位置の4つを変数にすることが出来ました。今回は加工する穴径と工具径も変数にして、より汎用性を高めましょう。下記は前回までのプログラムです。
% O100(FAI 6 KOUGU, FAI 10 ANA) #100=130(F) #101=0(Z KIRIKOMI START) #102=-2.0(Z KIRIKOMI END) #103=0.2(KIRIKOMI RYOU) G17 G91G28Z0 G90G00G54X0Y0 Z50. M3S1300 M8 G01X2.F1000 Z1.F2000 Z0.2F100 N10(KAKOU START) WHILE[#101GT#102]DO1 G03I-2.Z#101F#100 #101=#101-#103 END1 I-2.Z#102 I-2. G01X0 Z10.F2000 M9 M5 G91G28Z0 G28Y0 M30 %
赤くなっている部分の"2."や"-2."は{10.(穴径)− 6.(工具径)}/ 2 の計算によって導き出されたものです。穴径と工具径をそれぞれ#104,#105の変数にして計算式を入れてみましょう。
% O100(FAI 6 KOUGU, FAI 10 ANA) #100=130(F) #101=0(Z KIRIKOMI START) #102=-2.0(Z KIRIKOMI END) #103=0.2(KIRIKOMI RYOU) #104=10.(ANA KEI) #105=6.(KOUGU KEI) G17 G91G28Z0 G90G00G54X0Y0 Z50. M3S1300 M8 G01X[[#104-#105]/2]F1000 Z1.F2000 Z0.2F100 N10(KAKOU START) WHILE[#101GT#102]DO1 G03I[0-[#104-#105]/2]Z#101F#100 #101=#101-#103 END1 I[0-[#104-#105]/2]Z#102 I[0-[#104-#105]/2] G01X0 Z10.F2000 M9 M5 G91G28Z0 G28Y0 M30 %
これでも問題はないのですが、ここまで来たら計算結果も変数にしちゃいましょう。
% O100(FAI 6 KOUGU, FAI 10 ANA) #100=130(F) #101=0(Z KIRIKOMI START) #102=-2.0(Z KIRIKOMI END) #103=0.2(KIRIKOMI RYOU) #104=10.(ANA KEI) #105=6.(KOUGU KEI) #106=[#104-#105]/2 G17 G91G28Z0 G90G00G54X0Y0 Z50. M3S1300 M8 G01X#106F1000 Z1.F2000 Z0.2F100 N10(KAKOU START) WHILE[#101GT#102]DO1 G03I-#106Z#101F#100 #101=#101-#103 END1 I-#106Z#102 I-#106 G01X0 Z10.F2000 M9 M5 G91G28Z0 G28Y0 M30 %
非常にシンプルで見やすくなったと思いませんか?今回のように同じ計算が何度も出てくる場合は、計算結果を変数に入れて使用することで、すっきりして見やすくなりますし、同じ計算を何度も打ち込む必要がなくなります。
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